【SystemC】 SystemC with MinGW, MSYS

システムシミュレーションをするべくSystemCを勉強中やねんけど、C++が使える人にとっては、これは楽やなぁ。
HDLを使ってるデジタルハード屋さんにはちょっと厳しいかもしれへんけどね。

ってな事で、基本的にソフト屋さんな僕としてはSystemCは特に違和感なく取っ掛かる事ができました。
まださわりだけやから、これから色々と調べなくちゃならん事があるかもしれへんけど…。

SystemCの動作環境についてです。
メインマシンはubuntuなので、殆ど問題なし。SystemCのサイトからパッケージをダウンロードしたら、普通に動きました。波形データもVCDファイルに落として、GTKwaveを使って見る事ができたしね。

Screenshotgtkwave_halfaddrvcd_2
←半加算器を実装して波形観測した様子。

さて問題はWindows環境や。
Windows環境では僕は通常MinGW+MSYSを使ってるんやけど、SystemCのパッケージはcygwinを推奨しているみたい。
configureがMinGWには対応してないんですわ。そこで、ちょこちょこ〜っと変更してMinGW版のlibsystemc.aを作成してみました。以下、そのやり方を覚え書き。

MinGWで動作させるSystemC

  1. パッケージをダウンロードする
  2. ソースコードをコピー
  3. ソースを一部変更
  4. MinGW用のmakefileを作成してビルド
  5. オブジェクトファイルを抽出(バージョン2.2.0で78ファイル)
  6. アーカイバでライブラリ作成

こんな感じ。

1. は http://www.systemc.org/ にアクセスして、利用者登録してパッケージをダウンロードすればOK。
今現在の最新版は 2.2.0 ですわ。

2. 上でダウンロードしたパッケージを解凍すると

tar -zxvf systemc-2.2.0.tar.gz

config, docs, examples, src …といったディレクトリができまする。
この内、srcのみを使いまする。
srcディレクトリを適当な場所にそっくりコピー。
元ファイルを取っておかなくてもよければ、このコピーは不要ですわ。

3. ソースを一部変更しまする。
SystemCのkernelやdatatypeといったコードはcygwinのg++に対応させているらしく、一部MinGWのg++ではエラーになる記述が存在するねん。あと、僕がgcc4を使っているからって事もあるのやけど、型不一致のエラーも出てたみたい。
という事で、以下のように修正します。

sysc/datatypes/int/sc_nbdefs.cpp
sysc/datatypes/int/sc_int64_mask.cpp

ファイルの先頭に以下の行を追加

#undef WIN32

これは、WIN32定義があると i64 記述子を使うようになっているためです。
MinGWのgccではi64記述子は使われへんようやね。コマンドオプションで何かあったような気がするんやけど、とりあえず手っ取り早くコードを変更しちゃいました。ご丁寧にもWIN32以外やったら、ULL記述子を使うようにコードが書かれてるし。

sysc/datatypes/int/sc_nbcommon.inc
2985行目で型不一致エラーになるので、std::_Ios_Fmtflagsへのキャストを追加。

os.setf((std::_Ios_Fmtflags)old_flags, ::std::ios::basefield);


sysc/kernel/sc_cor_fiber.h

PVOIDとかが未定義やってエラーになるんで、ファイル先頭に以下の行を追加。

#include <windows.h>

sysc/utils/sc_utils_ids.cpp
getenv関数とstrcmpの定義が見つからんってエラーになる。よってファイル先頭に以下の行を追加。

#include <stdlib.h>
#include <string.h>

110行目辺り、getenv関数を呼び出している所が、std::getenvを呼び出している。
stdlib.hのgetenvを使うので、stdスコープは余計ですな。削除しまする。

const char* deprecation_warn = getenv("SC_DEPRECATION_WARNINGS");

さぁ、これでコード修正が完了。

4. MinGW用のMakefileを作ってビルド。
まぁ、これは各自サクっとやっちゃってください。
僕の場合は普段から使っているmake ruleがあるんで、それで一期にやっちゃいました。
必要なんは、オブジェクトファイルを作る事なんで、リンクは不要っす。(というかできひん)
コンパイルだけやっちゃってくださいな。
findコマンドとg++でも一応できるけどね。
ちなみにコンパイル対象のディレクトリは

  • communications
  • datatypes
  • kernel
  • tracing
  • utils

だけでOKです。cygwinの環境では qt まで含めてるんやけど、とりあえず使わんでしょう。

5. コンパイルしてできた .oファイルをどこかのフォルダにコピーしてまとめて…

6. アーカイバでライブラリを作成しまする。

$ ar cq libsystemc.a *.o

こんな感じかな。
これで、MinGW環境で使えるlibsystemc.aがでけました。
あとは普通にSystemCのコード書いて、このライブラリをリンクしちゃってくださいな。

ふぅ、cygwinってシェルのパス変更するから好きやないんよなぁ。
という事で、何がなんでもMinGW+MSYSでという方向けの情報ですな。

Author: kan
初めてプログラムらしきものを作ったのは幼稚園の時。それから約40年経ち、現在はデジタル回路設計から信号処理、機械学習まで幅広い経験を活かしてシステムアーキテクトとして活動中。超並列処理、デジタル回路とソフトウェアのバランス設計が得意分野。 Linux/Mac/Windows使い。 C/C++を主要言語として、Unity、Qtなどのフレームワーク興味あり。UI/UXデザイン、STL拡張など。 音声処理、画像処理、技術コンサルは仕事でも請け負います。 一般ソフトウェア開発プロセス、医療機器ソフトウェア開発プロセス作成も進行中。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください